こんにちは、南三陸うたつ丸栄水産スタッフです。
歌津町史を読んでいて、方言について書かれている箇所を見つけました。地元出身者でも知らなかったものがあったので、今回少しご紹介します。
当地域の方言は、東北弁、宮城弁、など、いわゆる「ズウズウ弁」と呼ばれる方言です。
歌津町史では、このズウズウ弁のことを「発音の極めて重い方言」と説明していました。
今まで自分のところの方言について、「濁点が多い」や「イントネーションに波がある」というふうに言われたことはありましたが、「発音の極めて重い方言」という表現は初めてだったので新鮮な気持ちです。
ズウズウ弁も年々、標準語に近くなってきていると実感しています。
歌津町史は昭和61年の発行なのですが、歌津町史で紹介されていた方言(単語)の中にも、知らないものも結構ありました。
例として、歌津町史に載っていた方言一覧の中で、「海」や「海産物」に関係がありそうな方言を5つ取り上げてみます。
~歌津町史に載っていた方言の例~
- 「ごっこ」→意味:魚
- 「つぶ」→意味:螺貝(つぶがい)
- 「なぐら」→意味:波
- 「もぐ」→意味:海藻
- 「おすばで」→意味:酒の肴(さかな)
以下、私の意見です。
- 私はこの方言は知りませんでした。
- 「つぶ」は方言なのでしょうか? 私は今でも「つぶ」と言います。これは広く通じる印象です。
- この方言は知りませんでした。
- この方言は知りませんでした。
- 酒のあて・つまみを意味する「おすばで」。「おすばて」とも言うと思います。この方言は知っていました。ただ、イベントか何かの題名で使われていたことで知った方言であり、それまでは聞いたこともなかったですし、普段は使いません。同級生や同年代で口にしている人とは出会ったことがありません。
このような感じで、知らない・なじみのない方言も結構多かったです。
ちなみに、歌津町史が作られた昭和61年当時で「最近聴かれなくなってきた方言」として紹介されていた言葉も、以下に書き添えておきます。
「最近聴かれなくなった」という括りなだけあって、私はひとつもわかりませんでした。
~昭和61年当時で「最近聴かれなくなってきた」方言~
- 「ゴクとやれ」→意味:早くやれ
- 「ごでぇぶすさ気をつけろ」→意味:足に気をつけろ
- 「ズミでいろ」→意味:丈夫でいろ
- 「つつこめら」→意味:あいつら
- 「はぐた」→意味:ちぐはぐ
- 「マガッて見る」→意味:のぞいて見る
- 「マツぽい」→意味:まぶしい
- 「ムスける」→意味:生まれる
「つつこめら」(=あいつら)は、もしかしたら文章になったら文脈で意味はわかるかもしれませんが、その他の方言はまったくお手上げです。推測できません。
東北弁の発音の重いのは、寒冷のため開口不十分のままで固定したものだといわれていると、歌津町史より。
また、戦前のころまでは関東方面の人との会話には通弁(通訳)がなければ意志の疎通はできなかったと、これまた歌津町史より。了解しました。